看護師が看護に専念できる職場づくりを目指して

9月26(土)〜27日(日)

ホテル・アウィーナ大阪にて
看護部集会を開催!

 ホテル・アウィーナ大阪で公共労看護部集会を開催しました。参加者は18名。

<第1日目>

 佐々木中央執行委員長のあいさつ
 
 佐々木中央執行委員長のあいさつでは、公共労がこの秋年末に掲げている看護師関連の要求に触れ、 「この間、年末年始勤務手当・早出手当問題に力を入れていたために、看護師の処遇改善を要求して来なかった訳ではなかったが、 改善が進んでいない。看護師の処遇には多くの課題があり、看護職の総力をあげて課題の解決に向けて奮闘しなくてはならない。 もっと皆さんの声を集めたい。」と看護師問題に取り組む公共労としての決意を述べられました。
 「看護師の諸問題について」松岡書記次長 
 と、看護師の置かれている課題について説明がありました。
 「労働時間・休暇・夜勤について」小林中央執行委員 
 その原因の大きなものは、「人員不足」にあることはいうまでもないです。人員が不足しているがために、本来の看護ができないで、休みが十分に取れず、夜勤回数も多くなり、身体的にも追い詰められていることが分かります。 しかし、他の職種の応援体制を整えることによって改善が見込めることや、PCの台数を増やすことや記録の入力環境を整備することなどによっても業務軽減が行えるのではないか、という解決の糸口が見えている課題もあります。  医療職(三)の給与体系の見直し、年休取得率の向上、夜勤回数の制限などの大きな課題については引続き、統一要求を掲げ、中央団交で交渉していく一方で、各病院支部においても業務改善要求を個別に要求して闘っていく必要性を感じます。  「院内保育があるが、土日祝日は開園していない。それなのに土日祝日に勤務が割り振られる。近くにサポート者がいないスタッフは遠方に子供を預けなくてはならない。」という意見についても「何のために院内保育所があるのか。院内保育所がなければ、勤務が続けられない職員のためではないか。院内保育所を利用している職員に対し、保育所がやっていない土日祝日に勤務を割り振ること自体がおかしいではないか」と思います。  グループワーキングでは「現状での良い点」についても意見を出してもらい(あまり意見は出されませんでしたが・・・)、「看護師の目標に前年度より年休取得を増やすとなっているので、年休の取得はし易くなった。」「各部署に意識の高いスタッフが居るので刺激になる」「HCUが立ち上げたばかりなので、皆が学びの意識でスタッフがまとまっている。」「勉強会や研修を行っていてスキルアップができる。」「積極的に年休をつけてくれるような努力している師長さんがいる」などの意見が挙がりました。 *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  * 
 一日目はグループワーキングが終了したところで、会議を終え、その後アウィーナ大阪で夕食交流会を行って、 二次会は通天閣に行き、大阪名物「串カツ」で大いに盛り上がりました。

<第2日目>

 二日目は、前日のグループワーキングの発表の後、「支部でも取り組める課題が沢山あること」「組合員からこれだけ課題が出されるということは、各病院支部の執行部が組合員の問題の受け皿になり得ていないのではないか」と発言があり、「中央で要求するというよりは、各支部でしっかりと取組む必要があると感じる」と佐々木委員長からも発言がありました。  これは、公共労が以前から方針に掲げている「各支部で看護師が気軽に話し合える場をつくり、1〜2ヵ月に1回程度定期化する」が機能していないこと、日頃からの意見交換が十分に出来ていないことによるものです。  佐々木委員長は「労働組合が相談に乗れないことは一つもない。もっと労働組合を身近に感じて欲しい。頼って欲しい」と言い、松岡書記次長も「労働組合は、たとえ一人の組合員の問題でも対応する。それは当り前だ」と言いました。 看護師個々の問題が結局は、看護師全体の問題として考えなければいけないことが多いことからも、労働組合が組合員からの信頼を得て、個々の問題を知ることが大事だと感じました。そのためには日頃から執行部が組合員の声に耳を傾ける姿勢が必要です。
「公共労としての看護師処遇改善闘争の取組みについて」駒宮書記長
2015闘争方針(案)から
・看護師が、その「専門性を持つ看護に専念できる職場にするため」にはどうしたらいいのか、 医療における看護の位置付けを明確にし、専門職労働者にふさわしい働く職場環境を要求する取組みに一丸となる必要がある。
・各病院にタイムレコーダ−の設置要求を行い、時間管理を徹底させる。
・10月26〜30日に退勤実態調査を行なう。実績をみて11月にも実施
・「夜勤は個人月8日以内」を守らせるために、勤務割表の確定時に病院側から報告をさせて、毎月夜勤点検を実施
2015統一要求(案)から
・透析室勤務をしている臨床工学技士及び看護師に対し、透析手当を日額350円支給すること
・月8日を超える夜勤(ニ交替制では4回)については、9日については正規の夜間看護手当の5割増、 10日以上(ニ交替制では5回以上)については10割増とすること
・労働時間管理の徹底を行うために各病院にタイムレコーダーの設置を行うこと
・情報収集等の始業前労働については、時間外勤務手当の不払いとならないよう実態を調査の上、 各病院に指導を行うとともに、その改善をはかること
・年休取得率を向上させるよう各病院に指導を行うこと、毎年9月から11月までの3か月間に年休5日の計画付与を行うこと。 そのための労使協定を締結すること
公務員の給料の仕組みについて
 公務員の給料は昇格時に大きく上がること、昇給は均等間隔では上がっていないこと、 給料の等級には昇給間差額に差がありそれぞれ「旬」があること、 などから2級から3級に昇格するのに15年も掛かる現在の昇格制度を改善しなければいけないこと。
今後の要求に関してのディスカッション
 その結果以下のことを確認しました。
・看護師の課題である「3級職への昇格を改善すること」「年休取得率の向上」「夜勤改善」などが今後の大きな柱になる。
・2015秋年末闘争では、理事者の回答が「検討する」や「各病院が実情に応じた対応を行っている」などという回答では納得できない。 具体的な闘争の組み方については、10月の支部代表者会議で協議をする。
・各支部にも持ち帰って、看護師の意見を集約して欲しい。
・秋年末で解決する問題ばかりではない、来年の春闘時にも看護部集会を再度行い、改めて闘争の組み方をしっかりと協議したい。
安全・安心の医療・介護の実現と夜勤改善・大幅増員を求める国会請願署名
 公共労の看護部としても国会請願署名にしっかりと取組んでいただきたい。

まとめ

 この集会で得られたことは様々ありましたけど、各病院・看護師個々によって状況が異なる看護闘争の難しさを再認識したところです。 今回は「看護師が看護に専念できる職場づくりを目指す。」というテーマを明確にして議論が進められたことは大きかったと思います。
 看護師のみなさん一人一人が課題を感じ、「解決していこう」という考えに立って闘っていくための第一歩となるように行動を継続していくことが重要です。
 各支部でも看護師さんで集まって、『看護に専念できる職場づくりには何が必要なのか』を話し合うようにしてください。