公共労速報251
2017春闘

第1回本部団交

ストライキは中止 継続協議へ

 公共労は本日29日、公立学校共済組合本部理事者と2017春闘第1回団交を行いました。 団交では主に以下の点について協議をしました。

委員会や研修も労働時間だ!

時間外勤務手当の請求に上限を設けるな!

〜ガイドラインの徹底を〜

 今年1月、厚労省から「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が出されました。 (ガイドラインについては速報NO.247を参照してください)
 

理事者側はこのガイドラインを
各病院の事務部長にすでに周知したということです。

「時間外の研修でも時間外手当がない」、「申告時間に上限が設けられている」、 「始業前時間にミーティングが決められているが、時間外はつけられない」など実際にこれまであったこれらのケースは、 ガイドラインからすると明らかに是正されるべきものです。
 団交では、ガイドラインの周知、徹底にともない、 「これまでのやり方が是正されることがありうるか、あった場合は、以前のやり方は労基法違反として、 それまで未払いだった時間外勤務手当はさかのぼって支払われるか」と理事者側に質したところ、さかのぼりの支払いについての明言は避けましたが、 「ガイドラインにより法律が変わったわけではない」との認識を引き出すことができました。
 つまり、もしガイドラインにより是正されることがあれば、是正以前の状態は労基法違反であったといえる可能性が出てくるということです。
 今後は、各支部で再度病院に申し入れをし、ガイドラインに沿えば 労働時間とするべき時間なのに、これまで認められていなかった時間を 一つ一つ確認し、今後は労働時間として認めさせることが大事です。 次に、過去の分についても労働時間として認めさせ、さかのぼっての支払いを求めましょう。

少なくとも技師全員に支給を

〜放射線取扱手当の運用について〜

 現在の放射線取扱手当は、運用について引き続き協議するということで2015年に協定したものです。 運用が始まると、放射線技師でも支給基準の1か月100マイクロシーベルト以上の被ばく線量に至らないケースも多く、 放射線技師全員に手当が支給されていないことが判明しました。「放射線を取り扱う責任がある業務への手当」として、 少なくとも放射線技師全員に支給することを、今回の団交でも要求しましたが、理事者側は「変える気はない」の一点張りでした。

労基法が守られているといえるのか

〜月8回以上夜勤問題〜

「月8日以内とするため努力する」と覚書を交わしてから20年以上経った現在でも月9回10回が恒常化している病院もあり、 「もう限界」と退職者が相次ぎ、妊産婦の夜勤免除すら行えていない状態です。
 団交では「妊産婦の夜勤免除ができないということは労基法の遵守すらできていないということ」であると厳しく糾弾。 理事者側は「増員により解決をする。この4月は例年以上に採用した」と回答。 「それならこの1年は様子を見るが、加算や特休など、9回10回の人に何らかの報いる手立てを検討してほしい。 もういい加減決着をつけたい」と申し渡しました。

不信のない運営へ指導を

〜人事評価制度の運用について〜

 人事評価制度において、面談が行われていない、 明確な説明もなく評価が下げられ手当が下げられたなど運用面において問題が続出しています。
 公共労は、チーム医療にはそぐわないと人事評価制度はそもそも反対ですが、運用が始まっている以上は、 不透明で不信を持たれるような運用はしないよう本部から各病院へ指導をしてほしいと申し渡しました。
 理事者側は「本来のモチベーションUPという趣旨に沿えるようしっかり指導していく」と回答しました。

引き続き協議

ストライキは中止

 回答としては、昨年秋年末の回答から何ら変わりのないものではありましたが、 ガイドラインの本格的な周知・徹底がこれからであり、ガイドラインの趣旨に沿った是正を各病院に対して引き続き協議していくということで、 明日に予定していたストライキは中止とします。

夜間看護等手当、育児介護休業制度の改定を協定

 これまでの夜間看護等手当は今年3月までの時限協定だったため、同様の内容で2年後の2019年3月末までで再協定しました。
 育児・介護休業制度の改定は、育児・介護により時短勤務をした場合の勤勉手当の除算期間についての改定と、 介護休業からの復職時の号給の換算率についての改定です。どちらも職員に不利な内容ではないと判断し、協定しました。

育児・介護休業制度の改定に関する協定書

1 勤勉手当の除算について
(1)基準日以前6個月間に、育児のための勤務時間の短縮により勤務しなかった時間がある場合、  その時間を日に換算して30日に達するまでの期間を勤務期間から除算しないものとする。
(2)基準日以前6個月間に、介護のための勤務時間の短縮により勤務しなかった時間がある場合、  その時間を日に換算して30日に達するまでの期間を勤務期間から除算しないものとする。
2 復職時の号給の調整について
 介護休業取得後の復職時の号給について、換算率を2分の1以下から3分の3以下に引き上げる。
3 実施日
 1については平成29年4月1日から実施する。
 2については平成29年1月1日以後の介護休業の期間について適用し、同日前の介護休暇の期間に ついては、なお従前の例による。