公共労250

シリーズ

「なくすぞ!長時間労働・不払い残業」その3

残業時間の上限「100時間未満」〜「働き方改革会議」が決定〜

 政府の「働き方改革実現会議」は、残業時間の上限について「月100時間未満」まで認めることを決定しました。 今後、労働政策審議会の議論をへて、法案の作成に入ることになります。
 残業時間は現在、法的拘束力はないものの、大臣告示による限度基準で「月45時間、年360時間」と定めています。
月45時間を超えて長く働くほど、過労死の危険が高まるとの医学的知見に基づいて政府が定めたものです。
 過労死ラインは「単月100時間」とされていて、交替制労働者については「月60時間」が過労死ラインとして裁判でも認められています。

労働時間の原則は週40時間

労働時間の原則
1日8時間、週40時間(労基法)
残業時間の上限
月45時間、年360時間(大臣告示)
(残業は36協定によるあくまでも例外的措置)
 月100時間の残業といえば、1日平均5時間の残業。朝8時に出勤して夜の9時に帰るのが毎日?!
これを法律で認めちゃうのって長時間労働是正の流れに逆らってない?医労連の撤回を求める談話も読んでみてくださ〜い。
 「月100時間未満」ということは、99時間59分でもOKということになるね。
 過労死ラインの残業にお墨付きを与えるものとして、公共労はこれに断固反対です。
 もし100時間も残業をしないと会社がつぶれるというのであれば、それは人員不足。人員を増やすことこそ求められているはずだ。

過労自殺した電通社員、高橋まつりさんのお母さんのコメント(部分)

 私は、過労死遺族の一人として強く反対します。このような長時間労働は健康に極めて有害なことを政府や厚生労働省も知っているにも関わらず、 なぜ、法律で認めようとするのでしょうか。全く納得できません。月100時間働けば経済成長すると思っているとしたら大きな間違いです。
 人間は、コンピューターでもロボットでもマシンでもありません。長時間働くと、疲れて能率も悪くなり、健康をそこない、ついには命まで奪われるのです。
 人間の命と健康にかかわるルールに、このような特例が認められていいはずがありません。繁忙期であれば命を落としてもよいのでしょうか。
命を落としたら、お金を出せばよいとでもいうのでしょうか。
 娘のように仕事が原因で亡くなった多くの人たちがいます。死んでからでは取り返しがつかないのです。