3月8日から9日にかけ、尾道ロイヤルホテルで2019春闘前看護部集会を開催しました。
参加者は13名でしたが、今の看護師の置かれている処遇を少しでも改善していくことが、
「良い看護」に繋がることに確信を持って、みんなで少しずつ力を出し合って取り組んでいくことが大切であることを話し合いました。
天候にも恵まれ、初日は尾道の散策もして楽しい有意義な時間が過ごせたかと思います。
1 看護師と労働組合(松岡中央執行委員長)
(1)立場の強い雇用者に対して労働者が要求することは個人では太刀打ちできない
基本的に病院にしても会社にしても立場的に強いのは圧倒的に雇用者側、私たちの場合は病院ということ。
労働環境や給与の面で雇用者側に改善を求める場合、看護師や医師ら個人ではなかなか雇用者側とは太刀打ちできないもの。
それを職員が団結してみんなで訴えようというのが労働組合。
たとえば要求は「労働時間を短くして欲しい」とか、「残業手当が出るようにして欲しい」
「休みをもっと多くして欲しい」などの訴えや細かいものまで様々あります。
(2)なぜ、労働組合が必要なのか
労働組合がなければ、雇用者側の決める「一方的な労働条件」になってしまい、労働者側には抵抗手段が無くなってしまいます。
労働組合がなければ、雇用者側と話し合い(交渉)をしようとしても雇用者側が拒否した場合に法的なお咎めはありません。
しかし労働組合があれば、雇用者側は正当な理由がなく交渉を拒否することはできず(交渉権)、対等の立場(労使対等の原則)で交渉ができます。
だから、私たちの労働条件を改善していくためには労働組合が必要なんです。
(3)看護師の歩むべき道
看護師の倫理綱領では「看護者は、より質の高い看護を行うために看護者自身の心身の健康の保持増進に努める」(第12条)とうたっています。
看護師自らが自身の健康を守らなければいけないということです。
「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(厚生労働省・2017年1月20日公布)についても
しっかりと守らせなければいけません。業務のための所定の服装への着替えや後始末、参加することが義務付けられている研修・
教育訓練の受講や、指示により業務上必要な学習等を行っていた時間は労働時間とすることが明記されています。
「仕事ができないために残業している」や「新人のうちは、申告は認めない」などもNG行為です。
ほかには「年休完全消化」「夜勤回数8回」なども改善していかなければいけません。
(4)夜勤は有害であること
夜勤をすることにより、サーカディアンリズムの乱れ、睡眠パターンの変調、ホルモンバランスの乱れ、
発がんのりすくなどがあるほか、不規則な勤務時間によって社会参加や交際の制約があります。また、年齢を重ねるにつれ夜勤負担は増していきます。
2 労働組合活動とは?何故、看護師に組合活動は必要なのか(駒宮書記次長)
- ・組合活動は何のためにあるのか?みなさんは労働者であると同時に生活者です。
- ・生活には「ゆとり」が必要です。「ゆとり」があれば、「自分らしく生きる条件」が広がります。
- ・「ゆとり」とは当面の必要を満たしたあとに「自由に使うことができる空間、時間や体力、他のことを考えるだけの気力があること」であり、
「1日のうち、休むこと(睡眠や食事、入浴など)、仕事、育児や家事の時間を除いた時間がゆとり」「所得から必要な生活費を除いた金額がゆとり」です。
労働条件(勤務時間、休暇、賃金)を改善することが生活の質を向上させ、「ゆとり」を生み出すものです。
- ・自分たちが「ゆとり」ある生活を送ることが、「よい看護」につながり、患者へのサービスも向上することになります。
- ・組合活動とは、「ゆとり」を得るために自分たちの時間を少しずつ使って活動するものです。
- ・看護師の闘争の歴史からも看護師自らが立ち上がらなければ、何も改善されない。声をあげなければ何も起きない。
まずは、声を出すことが大切です。「こうして欲しい」は決して「わがまま」ではありません。
3 その他 参加者全員で日常業務における問題点について話し合い
※次回の看護部集会は、7月5日(金)〜6日(土)に高知市で開催です。
今回は参加者が少なかったので、今から周囲に声を掛けて多くの参加者を得たいと思います。よろしくお願いします。