中国中央病院にて看護部集会を開催!
(2016・9・24〜25)
看護師闘争の第一歩を大きな一歩へ
「神ってる公共労」を目指して!
9月24日から25日にかけ、中国中央病院にて公共労看護部集会が開催されました。
参加者は全部で31名、二日間にわたり、秋年末闘争における看護部の取組みに向けて熱心な協議が行われました。
【第1日目】
1 升味看護部長あいさつ
少しでもほんのちょっとでも前進回答が得られるよう、
- ア 要求項目を見直す。
- イ 要求方法を見直す。
- ウ 看護部みんなの思いが一致団結する方法を考える。
この3点がこの2日間で達成できるといいなと個人的に思っています。
しっかり話を聞いて学び、しっかり意見を言って、せっかくの集まった時間をいいものにしていきましょう。
公共労看護部が設立されたこの年から、少しずつでも公共労看護部が前進していけたらと願って私も頑張りますので、
皆さまもご協力をよろしくお願いします。
2 松岡中央執行委員長あいさつ
一番大切なのは団結するということ。この2日間で一人一人のたくさんの意見を出してどうやったら少しでも前進回答が得られるのか、
一番大切なものが何なのかを見いだせたらと思います。
3 参加者全員の自己紹介(所属病院 所属部署 趣味)
4 講義
(1)地域医療構想などにみる社会保障制度について
桜井中央執行委員(60分)
社会保障は、憲法25条の生存権「1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」「2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」から。
その社会保障制度が揺らいでいる。医療の世界でも診療報酬により病院の収入基準・人員配置基準があり、配置基準以上の看護師増員は病院の収益に繋がらない。地域医療構想によって病床数の削減が行われる。など。
(2)他病院における看護師闘争の取組みなどについて
<広島県医労連 藤本書記長>
日本の夜勤交替制労働には、常日勤労働に比べて大きなリスクがある。
日本の労働時間規制の現状では、リスクを最小化することができない、不備がある。など。
<JA尾道総合病院 広厚労尾道支部 矢山由起子書記長>
看護師増員のために夜勤協定を締結し、毎月夜勤点検を行っている。回数がオーバーしている部署を申し出させる。
週休3日のワークシェアリングの活用を検討している。など
<広島市市民病院職員労働組合 濱 喜代子書記長>
看護師が働き続けるためには「夜勤と子育てに関するサポートが不可欠」と考えている。
夜勤9回以上の場合、1000円の加算、ペナルティーがある。夜勤協定に基づき労使委員会、夜勤検討委員会の設置、安全衛生委員会などで毎月チェック。夜勤免除・・・59歳の年度初めから、産後1年3か月。
育児短時間勤務制度取得者の代替要員の確保、4病院で120名が制度を利用。
5 質疑応答
質問 産休・育休・介護休暇等で一病棟程の休職がいるが、
「席があるから」という理由で補充がされていない。どうやって要求していったらいいのか。
回答 席がある人が働いてくれるのか。育児給付金は雇用保険が払っていて、使用者は払っていない。
復職したとしても他に休業者がいるから人員が多くなることはない。
質問 外来は7:1ではないのでなかなか計算式に当てはまらないので、
要求に出すときに具体的な人数の要求がしづらい。
回答 計算式はある。
外来は診療科を何個か集めてチーム化をしている。広島市民病院の外来はOB職員が働いている。
1回/月団交を行っている。日本医労連の看護提言で必要人数を出す。
質問 市民病院も尾道総合病院も要求を出して勝ち取っている。
日頃どういう取組みをして勝ち取ってきたのか。
回答 尾道総合病院は委員会を作って看護部の会議を
第一金曜日勤の時間帯13時〜13時29分に行っている。
広島市民病院 月1回 11時〜13時 弁当を出していろんな職種が参加して話し合いをしている。問題の仕分けを行い進めていく。看護部はない。執行委員会を1回/週開催している。
質問 日ごろからの職場の問題点の把握や、交渉を細目に行われていてすばらしいと思った。
ストライキ以外で交渉の手段があったら教えてほしい。
回答 尾道総合病院はスト権投票を必ずしている。
回答がおかしいようなら労働委員会へストライキをする可能性があることを伝えている。
団交で、一般組合員がその場にいるときのほうが交渉で通る事が多い。管理者に対して脅威になる。
広島市民病院は意見交換会をしている。労働委員会を活用している。問題があるなら、今すぐ提訴すると用紙に印鑑を押したものを常に用意している。
労働委員会に提訴して、今まで負けたことがない。
【第2日目】(9:00開始)
6 秋年末闘争の取組みについて〜
今、看護師の問題は何か? 駒宮書記長(30分)
週一回でも集まって話し、情報共有することが大事だと思う。
社会保障の話を聞き、病院機能による患者選択の流れがあり、看護師の配置率、それによって点数が違うことを理解しておきたい。
行政が病院に対してどう考えているのか知っておくことも大切。自分たちは働く環境をどうしていかないといけないのか、
人員は、賃金は、夜勤は、働きやすい病院とは・・・考えて要求に挙げていくこと。看護師が自分自身を守っていかないと。
健康を守る処遇改善を第一に考えていくこと、そのうえで、看護という業務について考えていくものではないか。
看護師は看護を行うことで収入を得ているが、夜勤手当などを省くと収入は妥当だとは思わない。家族を養うには足りないと思う。
休暇の問題について、有給休暇は労基法で20日間付与できるとあるが実際には取得出来ていない。
「迷惑をかけるから取れない」というのは間違っている。そういう状態の職場が間違っていて、
そこで納得するみんなに問題がある。生理休暇は年休より取らせなければならない位置づけにある。病院では母性保護すらできていない。
人員不足による過重労働について、人員不足の中で無理して働いてしまうと人員を増やしてもらえない。
時間外労働の未払いについて、業務に対しては、報酬を必ずもらうという意識が職員側にも足りない。
「健康で働き続けられる職場」について考えていかないと。通常は結婚、出産しても働き続けられるものだが、
できないで辞めてしまう人がいるということには問題がある。
夜勤を続けると寿命が10年縮むと言われている。人間は昼型だから、夜型から昼型に戻るときに大きな負担となる。
深夜→深夜→準夜→準夜のシフトは結局、2交替制と同じ考え方になる。
8回を超えさせないためにも夜勤は7回までにするのが望ましい。休みをしっかりとるためにも増員が必要だと訴えていかないと。
「このままでは働けない」と声を出さないと。働きやすい職場を作ることで、働きたい人が集まるようにしていくといい。
この要求なら闘えるということをグループトーキングで話してほしい。要求を通すためにどうすればいいのかをみんなで考えてほしい。
7 グループワーキング(60分)
8 グループワーキング発表(30分)
「看護師が働き続けられる職場にするためには何が必要なのか」
- ・必要な時に取れる休みが欲しい・1か月に一度、連休が欲しい。夏休み(長い休み)が欲しい・仮眠室がない。
机の上で寝たり、イスを並べて寝ている。上に言ってるけど要求が通らない
- ・年齢を重ねると夜勤がつらい・夜勤8回を超えたらペナルティーの額を増やして欲しい。
- ・夜勤手当を増やして欲しい。夜勤回数を減らして欲しい
- ・人員不足が1番の原因・年休を申請すると「年休をつけるとヒマな部署だと思われるから」と断られる
- ・業務が煩雑過ぎて働き続けられない
- ・3級昇格の時期を早める・昇給があればモチベーションが上がる・時間外労働が多過ぎる・認定看護師に見合った給料が欲しい。
手当が少ない・早朝の情報収集のための時間が超勤になっていない。など
「日頃から組合活動として何を大事にしなければいけないのか?」
・みんなで話し合う時間がまだまだ少ないから、たとえ10分でもいいから話し合う時間を増やさないといけない。
情報を組合員にきちんと提供していく
・団交とかにも参加して少しずつ知ってもらう必要がある・スタッフとの話し合いの場を作り、
少しの時間でも問題を提示し話し合うことが必要
・お弁当の配布など工夫し、集まりやすい場を提供する
・少人数でも行っていく・ホワイトボードを利用し、声を出してもらう
・新人さんにも一言でもいいから話をしてもらう
・各病棟の看護師だけではなく、病院内の看護師が集まって話し合う。など
「今、看護部として一番要求したいことは何か?」
- ・昇給、昇格を早くして欲しい。給料が良いと人も増え、人員に余裕が出来て来るのでは?
- ・夜勤回数月8回を守らせる・夜勤手当の引上げ
- ・人員確保(予備率15%を組み込んだ定数基準)・休みの確保 など
「その要求を勝ち取るためにはどう闘ったらいいと思うか?」
- ・粘り強く交渉していく。言い続けていく・ダメなものはダメだとはっきり伝えていく
- ・交渉時に支部で人員を多くして闘っていく。「全員の意見だ」ということを示す
- ・ビラ配りをする。患者にも知らせる。署名をもらう・人員増については、具体的な数値を示す
- ・ストライキをする場合には覚悟を持って実施する必要がある(看護師だけでストライキをしても良いのでは?そのぐらいの覚悟が必要)
・それぞれ個人の意見を我慢せずに出していく。など
9 全体会議(60分)
(1)今、看護部として一番要求したいことは何か?
目的は夜勤を減らしていく事かと思う。看護師同士で情報共有することが本当に大切だと思った。
1時間のグループワーキングもあっという間だった。問題は要求をどうまとめるか、どう闘っていくかだと思う。
人員確保がすべての問題に関係すると思う。人員は各職場で決まるもので、看護師比率は診療点数の為にあるものであって決まっているものではない。
現状の業務に対してこの看護師の人数では不足していることを訴えていかないといけない。
問題は対本部に何を要求するのか、どうやって闘っていくのか考えないといけない。
ストライキについて、覚悟をもって行う意識がみんなにあるのか、全員の意思統一ができるのかが重要。
看護部の重点要求としては、
ア 3級昇格の時期を早めること。当面、医療職(二)と同様に経験9年又は在級8年で昇格させること、在職5年、10年で特別昇給を行なうこと
イ 月8日を超える夜勤(二交替制では4回)については、月9日の場合は8日を超えた1日(1回)につき正規の夜間看護手当の5割増、
月10日以上の場合(二交替制では5回以上)は超えた1日(1回)につき10割増とすること とした。
(2)看護師署名について
駒宮書記長
夜勤手当の増額について、5割増、10割増としているが金額にこだわる訳ではない。加算額の増はいくらでもいい。
理事者への要求としては、この5項目でどうか。
拍手多数により看護師署名は承認された。
(3)2016公共労看護部の体制について
看護部長 升味知香(中国支部)
副看護部長 山田由季(中国支部)、高石 誠(四国支部)
看護部員 駒澤 葵(東北支部)
※今後、関東支部や東海支部にも働きかけを行なう。
拍手多数により承認された。
(4)患者へのビラについて
駒宮書記長
定期大会の中で話になっていたので作成した。看護師に話をして意見を出してほしい。
自分たちが実際に患者さんに配布することをイメージしてほしい。強制ではなく、案として考えている。
看護師自身がこの内容を読み、他職種にも内容をみてもらい現状を分かってもらわないといけない。
10 まとめ
高石副看護部長
秋年末闘争の重要要求は看護師の3級昇格時期を早めること、夜勤回数8日以内とし本部団交で闘う。
支部団交の際は組合員を集めてみんなが立ち会う。
署名、看護部体制は承認された。患者向けのビラについては、各病棟に配布し看護師に目を通してもらい周知する。
松岡中央執行委員長
統一要求の中で3級昇格、夜勤8日以内で意思統一ができた。看護部の要求として年休取得が入る。署名に関しては看護部が行っていきたい。
正循環勤務については年休や特休が絡んでくることになる。やりたいことはたくさんある。
駒宮書記長
看護部全体の問題として考えていくこと。やりがい、働きやすい職場にするにはなにが必要か...
働きやすい職場を作るということは、結局人員問題につながる。夜勤をすることで看護師自身の命を削ることになる。
8日を超えるのであれば特別加算をとる、本部がこれで動かないようであればストライキを行うことを覚悟して欲しい。
11 渡辺副中央執行委員長あいさつ
看護部がまとまって要求し団結していかないといけない。どこの病院も看護師の問題があることが分かった。
他病院の話を聞き、組合が強いと勝ち取れるものも多いと分かった。よりよい職場をつくりたい。
12 升味看護部長あいさつ
第一回看護部集会を無事終えることができてほっとした。濃い成果がでたのではないかと思う。他施設の取り組みを
聞き、足りないことを感じさせられた1日目だった。
中央執行委員会の構想でできた看護部の第一歩が、
少しでも大きな一歩になるように支部で話し、何か
変えられるものをつくれたらと思う。
皆で話し合う場が大切という意見が多く出て、
必要と感じた。
カープの優勝にかけて『神ってる公共労』で
いきたい。
松岡中央執行委員長
看護師の問題は山積みで、ひとつひとつ決めて意思統一し、柱を決めて団結できた。
あとはぶつかるだけだ。団結ガンバロー!