京都「花のいえ」にて看護部集会を開催!

(2017・1・13〜14)

闘争を各支部の看護師全体に広めるために
組合員への周知徹底を!

〜看護師が働き続けられる職場づくりのために、看護師同士の仲間意識を高めて団結して行こう!〜

 1月13日(金)から14日(土)にかけ、京都嵐山「花のいえ」にて公共労看護部集会を開催しました。
 参加者は全部で18名、二日間にわたり、今後の看護部の取組みに向けて熱心な協議が行われました。

升味看護部長あいさつ

今年も沢山の人たちと触れ合いながら、楽しんで活動出来たらと思う。 秋年末闘争を振り返ると、何一つ改善することが出来なかった。少しでも改善出来るように頑張っていきたい。

1 松岡中央執行委員長あいさつ

昨年から看護師問題に取り組んで来たが、成果が得られていない。
 看護師の問題が多過ぎる。焦点が絞り切れていない中、看護師としての結集も出来なかった。
 給料問題についても我々はエキスパートであるが、給料がそれに見合っていない。
 夜勤問題でも月8日以内が守られておらず、その加算の増額も勝ち取れなかった。勤務割も見直さなくてはいけない。
 根本には人員不足がある。人員不足の解消を目指して2017年もしっかり闘える体制を作っていきたい。

2 2016秋年末闘争を振り返って
(参加者全員の自己紹介も兼ねて)

3 看護師問題改善のための闘争について 駒宮書記長

 最初に皆さんに2016秋年末闘争を振り返ってもらった。昨年の9月に中国中央病院で看護部集会をやり、 秋年末への取組みについて話し合いをしたものの、その後、活動は出来たのだろうか? おそらく、一部の参加者は一言で話し足りないほどの苦労をされたのではないだろうか?
 看護師の署名を全体で889筆集めたが、その内訳は東北25、関東66、東海37、中国689、四国72ということで、 東北や四国支部はどうしたのか? この署名の取組みの差がそのまま秋年末での取組みの差になってしまったと思う。 「看護師闘争元年」ということで、昨年から看護師の闘争について強化して来たつもりだったが、 各支部での足並みがこれほどまでにバラついてしまったことについて申し訳なく思う。 こうして集会で話をしたことをいかに支部に戻って実践していくのかが重要だということ。 「過去のことは過去のこと」として、この2017春闘をどう闘っていくのか?どうしたら良いのか?何が出来るのか?支部に戻り何をしていくのか? を看護師さん同士で話し合っていくことをこの集会での目的にしたいと思う。

(1)看護師問題の整理

 看護師問題は様々あるが、大きいのは給料の問題そして夜勤問題ということになると思う。医(三)の昇格制度を改善しなければいけないということ。現在の昇格制度で何が問題なのか?というと「採用されてから15年間昇格がない」ということ。プリセプターや看護研究、リーダーなのどの業務負担が増えていく中、5年目となれば既にベテラン扱いになるのに、そこから10年以上経過しないと昇格出来ないというのは理屈に合わない。業務のレベルと報酬が見合っていない。その間に医(二)は3回昇格し、当初24,000円医(三)の給料が高いのに14年目には逆転され、生涯賃金では給料と賞与だけで430万円以上の差が出来ている。  夜勤問題では、夜勤回数が9回を超えていること、そして「圧縮勤務」である二交替制の導入や「日勤→深夜」「準夜→日勤」などの勤務、そして連続夜勤である「深夜→深夜→準夜→準夜」などが組まれている問題を改善しなければいけない。この様な勤務が組まれる背景は様々であるが、看護師も止むに止まれずこの勤務を選択している。健康被害がある勤務の組み方は変えて行かなければいけないということを改めて認識して欲しい。  これらの問題の根本にあるのは「人員不足」。今、働いている職員の処遇を改善し、離職を止めなければいけない。

(2)闘争のあり方について

 使用者が勝手に職員の処遇を改善してくれることは考えられない。要求があって初めて改善が行われるもの。労働組合が唯一使用者側への対抗手段として認められているのがストライキ。この場合、使用者側が阻止しようとするようなストライキを構えなければ意味がない。「これなら大丈夫」と思われるほどの保安要員を出して交渉しても、ストライキを構えている効果が得られないということになる。

(3)本当に必要な闘争は何か

 ストライキを構えることに躊躇するようなら、構えても意味がない。仲間を守るために闘う姿勢が見せられるのか?毎年、多くの仲間が離職している。給料や夜勤などの勤務環境が原因であることは間違いない。結婚して、出産して、育児のため辞めていく。辞めなくても済むような勤務環境なら防げたかもしれない。5年以内で50%近い職員が辞めていく、そんな職場に問題がない訳がない。  「我慢すれば済む」のか?「我慢すれば済む」と考えているなら闘争する必要はない。  病院に打撃を与えられるようなストライキを組み、交渉することが大事。ストライキをやりたい組合員はいない。「ストライキをやりたくない」という考えと「ストライキを構えたくない」は根本的に考えが違う。

(4)今後の闘争について

 何のための闘争なのか?結局は「患者に対して良い看護をするために必要な闘争なんだ」という認識に立てるのか? 当の看護師が今の状況を変えていきたいと心から望まなければ、真の闘争にはならない。
 ストライキをやるかどうか?ではなく、要求を通すための意思表示が出来るのかどうか? ストライキを構え、交渉し、前進回答を勝ち取ることが目的。ストライキを構えるにあたって組合員がどれだけの覚悟を持てるのかどうか?  この要求がどれだけ重要なことなのかが認識されないで闘争を組んでも、組合員の足並みは揃わず、闘争はうまくいかない。 他職種の理解も得られない。看護師の思いを一つにすることが重要。まずは、看護師全体に闘争への理解を求めることが先決だと思う。

4 グループワーキング

(1)自分たちの支部の看護師の実情
(組合への関心、処遇に関する認識など)
☆組合の主が2年目の人がしているので、分からないまま委員で動いている。
・中堅の人が興味を示していない様子。
・組合活動に看護師が参加してくれない。
☆声を掛ければ、本気で考えてくれる。
・業務に追われ、積極的ではない。
・興味がなく、声を度々掛けないと気に掛けてくれない。
・プリントを掲示しても気にしてみる人は少ない。
・病棟間で差がある。役員をしないと本質が分からない。
・上の人は分かっているが、下は分からない。意識の統一が難しい。
・話はしやすい環境はあっても、中身の理解が薄い。知識がなく、処遇の問題についても分かっていない。
・病棟によって温度差がある。若い人たちばかりで上の人がいない。
・職場集会をやっても集まる数は少なかった。
・看護師同士のコミュニケーションが取れていない。
☆関心ある人とない人に分かれている。
・組合の動きが目に見えて分からない。参加者が集まらない。ストライキの参加者は10人だった。 ・給料が上がらないなど知らないことが多いので、組合に求めることも少ない。・「やってもらっている」遠い話。人任せになっている。 ・良くなって欲しいことに関心はあるが、「闘争」となると意欲が下がる。特に中堅が関心がないから、下も関心がない。 ・支部で闘うという感覚が薄い。要求が上がって来ない。・役員任期が終わったら、それで終わりの人が多い。 ・自分の病棟ありき。・組合に対しての意識が低い。
・署名やアンケートの数の差があり、ショックを受けた。誰かがやってくれるだろうと思っているのではないか。
・支部の役員も選挙で決められるが、男性しかならないイメージ。組合は男性がするもの、身近なものではない。 40〜50代が役員に多い。若い人がいない。
・師長によって、組合のことを考えている人もいる。
・上も危機感がない。役員の意識も低い。
☆支部によって、ストライキ参加者の人数が違い過ぎる。
(2)どうしたら、支部の中で継続的に看護師が活動出来るのか、活動するうえで何が問題なのか
・主に引っ張ってくれる人が必要。といって、役割を与えられると荷が重い。
・集会の時にお弁当やケーキなどを出したら集まったが、次回からは出さないように言われている。
・あまり、活動をし過ぎるとパワハラを受けることがある。
・組織がしっかりしていない。支部によって看護部の組織体制が違うのも問題。
・興味、関心のある話をしていく。
・看護部集会を継続する。
・専門的にも違うので、まとまらない。
・部署によって問題の重要性が違い、温度差がある。
・一人の人が言っても発言力が弱い、みんなの意見の方が強い。
・若い人に分かるように説明してあげることが大切。
・テーマを絞って話す。
・自分の興味があることだけでも来てもらい、人を集め、参加した人たちが皆に広めていくことが大切。
・組合に入っていない人には声を掛けている。
・下の人が動いて欲しい。
・横の繋がりを作る。雑談してみたら問題点が見付かる。
・硬い話をしても人は集まらない。短く、フランクに話をする。
・組合役員の人たちが病棟にフィードバックするにも限界がある。
・待っているだけではダメ、行動しなければいけない。自ずと反応が来る。
(3)問題解決のために何が必要なのか
・看護部の組織づくり、土台づくりをする。・支部における看護部の予算を増やしてもらう。
・メンバーを集める。組合に対して良いイメージがない人が多いので、声掛けを行い、組合への参加を募る。
・活動を明確にし、興味を持ってもらう。 ・30分程度の集会を行っている。女性部企画でブリザードフラワーやテーブルマナーなどの企画をし、組合の意識付けをしている。
・皆の組合への興味を引き出すため、給料表を提示するなどの工夫をする。 ・年に何回か飲み会を企画しているので、参加してもらいみんなに興味を持ってもらう。
・情報提供(各病棟間、処遇に関して)・年休についての病棟ごとのデータなどを出した方が良い。
・役員の確保。
・周知徹底をする。昼休みに声掛けをする。
・委員会を作る。皆で集まれるようにする。・横の繋がりを深める。
(4)まず、支部に帰ってから何を始めるべきなのか
・看護部集会を開く。・硬い話ばかりではなく、短い時間で話をする。
・周知徹底を図る。知り合いなどに広めていく。
・「労働組合とは」のところから始めることが大切。
・支部ニュースは硬い字が多い。見易くしてもらう。 言いたいことは赤字にしたりして、目に留まりやすくする。インパクトに欠ける。自分たちの自己満足で終わらせない。 ・最初から組合の部屋に行くのではなく、飲み会の場所で最初に話をする。
・目的のテーマが堅苦しい。フランクさが必要。
(5)支部における看護師の処遇改善課題は何か
・インフルエンザワクチンは全スタッフ徹底して、無料で受けさせて欲しい。
・夜勤回数が多い。看護師が少ない。要求して病院が看護師の業務改善ワーキンググループを作って話し合ってくれている。
・期間限定の夜勤専従者を考慮中。・白衣、ナースシューズの支給要求。
・部署によって処遇が違う。・医(二)に近付ける。(疑問に思ってもらわないといけない)
・給料について、どこに聞けば良いか分からない。(モデル賃金表を皆に見てもらう)
・研修などにお金をかけても給料などに反映されない。努力した分、見合ったものを・サービス残業がある。
・経験年数が給料に反映されていない。・定数しか見ていない。
・出産、妊娠時の夜勤等免除のための予備率を上げる。
・8回を超える夜勤がある。経験者を5人以上採用するらしい。
・人を増やして欲しい。助手さんを増やして欲しい。休日も欲しい。今いるスタッフが辞めないよう、スタッフのことを大切にして欲しい。
・秋闘で何も改善されていないので、継続して同じ要求をしていくべき。
(6)2017春闘において、看護部として中央の活動は何をしたら良いのか
・他支部との連携ももっと出来たら良い。 ・看護部だけが盛り上がっていてもダメ・ストライキ以外の方法も必要ではないか。
・一つの課題を絞り、たとえば「3級昇格を勝ち取る」などで組合で団結する。 そうすることで、組合員がスタッフの協力も得やすいのでは?(シンプルで周知しやすい)
・ストライキをすることで、組合員は大きなストレスを感じるが、幹部には痛手を与えられていないと思う。 ストライキ以外の方法は考えられないか?院長や事務部長に直接訴えかける。
・組合員に情報をきちんと伝える。伝える場を設ける。・東北支部で看護部集会を開催できないか。
・患者さんにも看護師の問題を知ってもらうためにビラ配りを行う。・ビラ配りはストライキより有効かも?
書記長
 「まず、支部に戻って何をするか」組合員に浸透させることが重要で、看護師の思いを一つにするために周知を図ることをやって欲しい。支部での闘い方が重要になる。看護師で集会を開催し、要求をまとめて看護師だけの問題で支部団交を行うぐらいのことは出来ないか?勤務環境の改善は病院で対応可能なことが多い、諦めないで要求を通して欲しい。春闘での闘い方は2月の中央委員会の時にまた、話し合いをすれば良い。春闘要求は、秋年末で前進していないので、秋年末と同様で良いのでは?団交時のフリップ掲示、ハチマキなども意識が高まって良かったと思う。
松岡中央執行委員長
 看護師は働く場所が違うと抱えている問題が違って見えるが、根幹は人員不足です。病院は経営状態や赤字を理由に看護師の処遇については手をつけずに先送りにされている。我々の処遇と労働条件の改善は看護師自らが立ち上がり闘うことです。それに必要なのは何といっても団結です。看護師は病院内でも色々な仕事を引き受けて大変です。なかなか集まりづらいのはわかります。組合の役員を引き受けると責任もあり、大変です。部署毎に温度差があります。是非各部署から複数名の役員を出して協力して話ができる機会を持ってください。役員は必ず2年間お願いします。問題を引き継いでいけるようにしてください。組合がしっかりしている所は絶対に働きやすいところです。組合のしっかりしていないところは絶対に苦しい職場です。役員も孤独にならないように、是非組織拡大にも取り組んでください。
升味看護部長
 この集会では、グループワーキングの時間を多くとって、看護師みんなで話し合うことが出来たと思う。秋年末闘争では、とても辛い思いをした。だけど、自分を支えてくれる仲間がいたから、何とか乗り切れたと思う。団結すること、そして闘う力が必要なことを感じた。東北支部や四国支部は、まずは、一緒に企画する仲間づくりをして欲しい。支部に戻って頑張ってください。そして少しでも前進回答を引き出せるようにこの2017春闘を看護部として頑張っていきたい。
〜集会の最後は、渡辺副中央執行委員長の「団結ガンバロー」で締めました。〜