第3回本部団交
事実をつきつけ理事者を追及
公共労は12月8日に2017秋闘第3回本部団交を行いました。各支部から26人が参加しました。
2017統一要求書への回答は前進なしと言わざるを得ないものです。
10月、11月と団交を重ねてきた第3回目。一つでも前進回答を引き出すよう全支部でストライキを構えて交渉に臨みました。
今回は前回までに協議しきれなかった、特に年休取得の問題に焦点をあてて交渉しました。
医療にそぐわない人事評価
導入から5年〜ボロが出まくり
関東中央病院では昨年の年末一時金支給時に、評価が「2(良好でない)」をつけられた人が続出しました。
面談もなく評価が下げられ、組合が問題にしてようやく説明があったものの、その説明も「文句が多い」「休み希望が多い」という主観的な理由で、
とうてい納得のいくものではありません。
人事評価を導入してから5年。関東に限らずそういった休み希望が多いとか少ないとか理不尽なことでしか評価ができないのが現実です。
また関東中央病院は赤字であり、人件費を低く抑えたいがために人事評価で「2」をつけたのではないかと疑念を抱いてしまいます。
理事者は教育的観点、職員のモチベーションUPに役立っているとしますが、現場では評価する側からも不満の声があがり、
人事評価制度の破綻は明確です。団交では、現場では評価することがただただ過重労働になっていて、
不透明さに逆にモチベーションが下がっており、中には退職者も出ている事実を訴え、
改めて人事評価を勤勉手当に反映することは反対であることを強調しました。
それに対し理事者は、教育的観点から必要であるということを繰り返すばかり。
面接がやられていないならきちんとやらせるよう指導するというものの、人事評価の破綻ぶりは認めませんでした。
しかし一方で公共労の追及により「人事評価は絶対評価である」ということを明言させたことは重要です。
今後、おかしな評価がされていないか各支部で監視していく必要があります。
人が少ないからと言って「年休20日とれない」はおかしい
年休は就業規則でも1年間に20日が権利として認められていますが、人員不足から請求すらままならないのが現状です。
各病院は年休の取得率50%を目指すとしており、それについて認識を質すと、「各病院の実情を踏まえた目標である」、
「経営とのバランスを考えないといけない」と、20日とれないことを開き直る態度です。
そもそも年休20日は労基法にも定められているもの。
20日取得を前提としていないこと自体が労基法違反なのではという公共労からの追及に
「本部としては年休の取得を妨害しているものではない」として、人員不足により年休の請求すらできないという現場の実態を無視した回答に終始しました。
公共労としては引き続き年休取得キャンペーンなどを通じ職員への教育啓発を強め、
まずは年休の請求をするのが当たり前という雰囲気をつくっていくと同時に、ひきつづき年休20日を保障する人員配置を求めて闘っていきます。
〜看護師の夜勤回数問題〜
わずかながら改善の希望か?!
看護師の夜勤回数は8回を超えて9回10回が恒常化しており、体が辛く、解決の展望も持てずに退職される方が相次いでいます。
公共労としてこのことは強く問題視しており、ここ2、3年、この問題を本部団交の度に、
いかに夜勤が大変かということを現場の看護師が涙ながら何度も訴え、改善を求めてきました。
その成果もあり、ようやくこの秋闘で「夜勤回数問題で本部で検討している」という回答を引きだすことができました。
ただ、いつまでに改善するかというめどは全く立っていないようで、質問に対しても時期的なことは答えられないとしています。
検討を始めさせたことは公共労のこの間の粘り強い訴え、闘いの成果として前向きに評価ができるものであり、検討の結果に期待するものです。
検討にあたって妊産婦の夜勤免除や育短の取得が逆に困難になるようなことはないようしてほしいということを申し入れました。
関東 赤字理由に
地域手当の据え置きいつまでか!
関東中央病院では本来上がるはずの地域手当が「赤字」を理由に2%分が据え置かれています。
今日の団交で、いつまで据え置かれるのかと質したところ、「経営が安定する見込みがないと上げられることができない」
「いつまで据え置きかは現時点では言えない」との回答です。
経営状況が悪いことは職員も責任をとって手当の据え置きなど請け負わないといけないのかと公共労側の質問に、理事者は「当然だ」と回答。
これは経営の責任を職員に押し付ける
乱暴な回答と言わざるをえません。
関東中央病院だけの問題ではなく、どこの病院も赤字の責任を職員が負わされるという意味であり、
公共労としては断じて理事者側のこの理屈を受け入れることはできません。
今後、更に闘いを進めて「赤字だから給与削減やむなし」を打ち破っていきましょう。
パワハラ、セクハラもう限界
四国中央病院では医者からのパワハラ、セクハラが後を絶ちません。
「毎日のように医者からパワハラを受けている、椅子を蹴とばされる、ものを投げつけられる、罵声を浴びせられる・・・
もう限界。病院に訴えても一向に改善しない。」と切迫した状況を訴えました。
理事者側は「承った。パワハラ、セクハラはたとえ医者でもあってはならないことだ。
病院長会議でも話をして撲滅、防止に努めたい」との回答。ハラスメントを受けている人の精神的苦痛は相当なものです。
回答通り、各病院にしっかり指導してもらうことを期待し、今後取組みを注視していきます。
予定のストライキは中止
前進回答はなかったものの、夜勤回数問題において「検討する」ということは前向きに受け止めることができます。
人事評価制度や年休の問題、パワハラ、セクハラ問題などなど問題は山積みですが、来春闘に向けて、
公共労としてもしっかり闘争を組んで臨むということで、月曜日に予定していたストライキは中止とします。