公共労速報238
2016年人事院勧告 月例給、一時金とも引き上げ勧告 月例給0.17% 一時金0.1 月改善
 人事院は今月8日、一般職国家公務員の賃金等について、官民較差「708 円、0.17%」 に基づく月例給の改定、一時金の0.10 月引き上げ、扶養手当の見直し、医師の処遇改 善、仕事と家庭の両立支援に関する制度改正などの勧告・報告を行いました。

物価上昇に追いつかず

 3年連続の引き上げ勧告で、看護師初任給1700 円引き上げなど若者層を重視するとと もに、再任用を含むすべての号俸での改善となったことは、春闘はじめとした運動の反映 です。しかし、2015 年度の消費者物価指数は対前年比で0.8%上昇しているため、0.17 %の改善では、実質賃金の低下となり、生活改善にはほど遠い引き上げ幅です。また、「給 与制度の総合的見直し」により、多くの中高年層は現給保障額を受けています。わずか 400 円の引き上げでは、実質的な賃上げにつながりません。中高年層にまったく配慮を欠 いた勧告であり、重大な問題です。

一時金 改善分は勤勉手当に

 一時金は、0.10 月引き上げて4.30 月としています。一時金も3 年連続の引き上げとな りました。引き上げ分はすべて勤勉手当に配分するとしています。現行の人事評価制度に は不十分な点が多いまま、人事評価の結果を直接反映する勤勉手当を拡大していくことに は問題があります。今後も勤勉手当を拡大するというなら、評価の客観性・公正性につい て検証すべきです。

一方的に扶養手当の改悪を強行

 扶養手当の「見直し」の内容は配偶者にかかる手当を現行1 万3 千円から6500 円に減 額すること、その原資で子にかかる手当を現行6500 円から1 万円とすること、配偶者が ない場合の1 人目の扶養親族にかかる手当額の特例の廃止などです。配偶者にかかる手当 の減額は経過措置が設けられますが、この改悪によって扶養手当受給者の半数を超える職 員が引き下げになると計算されています。90%近い民間事業所が配偶者の家族手当を支 給している状況であり、引き下げに道理はありません。道理のない引き下げを公立共済に 持ち込ませない闘いに全力をあげましょう!
本年の給与勧告のポイント
@ 月例給0.17%引き上げる、ボーナスを0.1カ月引き上げ。全額勤勉手当に配分
A 配偶者に係る扶養手当の手当額を他の扶養親族と同額とし、子に係る手当額を引き上げる。
B 専門スタッフ職俸給表に4級を新設