一年間の経過と総括

(1) 全体の経過と総括(駒宮書記長)

ア 2014秋年末闘争の総括

 
 ストライキを決行し、年末年始勤務拒否の体制を取って、ギリギリの交渉を行ったからこそ、理事者の態度も変わり前進回答を得られた。署名→支部団交→決起集会→ストライキ→年末年始勤務拒否体制とどれも必要な取り組みだった。
 ストライキについて否定的な組合員もいたと思う。医療現場でストライキを行なうのは大変なことであり、負担も大きかった。しかし、「このことは絶対譲れない」という場面ではやはり、今後もストライキを構える必要がある。ストライキを回避しようとする努力義務が当事者にはある。

イ 2015春闘

  
 秋年末闘争時における団交内容の文書確認をしない、合意内容を病院に守らせないという異常な事態が生じたが、公共労は抗議文を発し、団交拒否、都労委の提訴をも視野にいれていた。問題が解決したが、一歩も引けない姿勢を示さなければいけない状況だった。     2014・2015給与改定については3年間の現給保障終了前に労使で協議を行うことで妥結した。
 春闘時に@放射線取扱手当の支給、A子の看護休暇の対象となる子の年齢を中学校就学時(現行小学校就学時)に引き上げる、B勤続3年の看護師に3日連続の特別休暇を付与する、についてを協定した。@放射線取扱手当の支給に関しては「被ばくする恐れの多い放射線技師全員に支給されるべき」「被ばく線量の計測方法や管理方法に疑問がある」など、運用面での課題が残り、A子の看護休暇については要求どおり、B勤続3年の看護師に特別休暇に関しては、勤続3年の看護師のみが対象であって、看護師の処遇改善策としては不十分であるが、いずれも要求が前進したものと考えられる。
 なお、早出手当問題については廃止反対署名737筆を理事者に手渡し、「この署名の思いを受け止め、早朝勤務者の労に報いて欲しい」と強く訴えた。早出手当に関しては2016年3月まで引き続き協議を行う確認書を取り交わした。

ウ 夏期一時金

 
 昨年の人勧どおり勤勉手当0.075月増で協定。団交参加者からは「評価基準が不透明で不信感がある」「職員のモチベーションUPには繋がっていない」などの声が次々に挙がる。

エ その他

 
 理事者から「諸手当の見直し」「決算賞与の見直し」について提案があり、「諸手当の見直し」については、変更するにあたって「既存の手当を引き下げない」という文言を入れることを要求し、「給与規程の支給額を下回ることができない」という修正を加えた再提案を受けて協定した。

オ 2015春闘の総括

 様々な闘争により、いくつか要求が前進したことは大きい、しかし、春闘においては中央と支部が一体となった取組みが行われたかというとそれについては不十分だったのではないかという反省がある。中央団交が始まっていても支部団交が行われていなかったということもあり、中央の団交でも理事者側から「それは、各支部で病院側に要求している事項なのか」と言われる場面もあった。
 今後は、今回作成した年間スケジュールに沿って、支部と中央の連携を図っていきたい。
 要求は少しずつ前進している。しかし、これからの闘い方こそが重要になる。遅々として進まない「看護師の処遇改善」や「早出手当問題」については、本日会議終了後に話し合いを行って、方針を固めたい。また、年休取得率の向上についても「年休取得キャンペーン」にしっかりと取組んでいく。組合員の一人一人が要求や取組の必要性を認識し、今後の運動方針や統一要求に繋げていくことが大切だと考えている。
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